山陽本線は神戸駅〜門司駅を結ぶ約528kmの大動脈で、関門トンネルを経て九州へとつながる、日本屈指の長距離在来線です。
1880年代から段階的に開業し、明治の近代化を支えた幹線として発展。現在はJR西日本・JR九州が運行し、都市近郊輸送から長距離移動まで幅広い役割を担っています。
今回は山陽本線の起点:神戸駅から門司駅まで全線を走破した記録に沿って進めていきます。
第一走者 快速:網干ゆき(神戸ー姫路間乗車)
神戸駅から姫路駅までは快速(明石から普通):網干ゆきの乗車しました。

神戸駅は山陽本線の起点の駅です。駅構内にはそれを示す「ゼロキロポスト」があります。

また線路の枕木(大阪方面の2番線の線路)にも、山陽本線のゼロキロ地点と東海道本線の終点を示す表記(東京から589.34km)があります。

現在は神戸始発・終着の列車はほぼなく中間駅のような位置づけですが、神戸駅は重要な駅だったことがうかがえます。
神戸駅を出発すると次の駅が兵庫駅です。兵庫駅は山陽本線のただ一つの支線(通称:和田岬線)があります。⇒和田岬支線について


兵庫駅を出発してしばらくすると、須磨駅から明石駅までは瀬戸内海の近くを走行します。まず最初の車窓の見どころは須磨ー塩屋間の車窓です。
最初の写真は須磨駅停車の際に撮影しました。駅をでるとすぐそこに砂浜があります。

さらに西へ進むと、大阪湾をのぞむ車窓が広がります。都市部の神戸からほんの10分程度でこのような車窓を見ることができるのが山陽本線(姫路までは通称:神戸線とよばれています)の魅力の一つです。

しばらくすると舞子駅に到着します。舞子駅は明石海峡大橋の真下にある駅です。

この駅では淡路島や徳島方面に向かう高速バスに乗りかえることができます。高速バスの多くは神戸三宮や大阪発ですが、ここでも乗車できることが多いです。ここで乗り換えるメリットとしては、神戸市内や大阪市内の渋滞に影響されずに目的地に着くことができることです。
列車は明石駅をへて姫路へ向かいます。明石から先は加古川近辺の平野部を快適に走行します。
列車は姫路駅に到着します。

第二走者 普通:新見ゆき(姫路ー上郡間乗車)
姫路駅から上郡駅までは普通:新見ゆきに乗車しました。姫路で伯備線の新見駅といわれても・・・ではありますが。岡山(山陽本線)倉敷(伯備線)新見というルートで走る列車です。

この列車には途中の上郡駅まで乗車します。倉敷まで行ってもいいのですが、岡山以西の乗り継ぎを考えると、上郡駅から岡山駅までは別の列車に乗り換えると早くいけるので、このような乗車となりました。
左の写真は少しだけ姫路城がみえます。その写真の右下にちょっとだけ姫路駅を出発する山陽電鉄(乗り入れている阪神車)がみえています。
右の写真は播州平野の車窓(竜野駅近辺)です。


列車は上郡駅に到着しました。ここで普通:新見ゆきを見送って15分待ちます。


第三走者 特急スーパーいなば:岡山ゆき(上郡ー岡山間乗車)
さきほど「上郡駅から岡山駅までは別の列車に乗り換える」といったのがこの列車のことです。この列車に乗車すると、岡山駅より手前の瀬戸駅で先ほど乗車した普通:新見ゆきを抜かします。


上郡駅を出発すると兵庫県と岡山県の県境の山間部に入ります。その様子をスーパーいなば号の車内から撮影しました。車内放送も少し入っています。
スーパーいなば号は岡山ー鳥取間を智頭急行線を経由して結ぶ特急です。使用車両はキハ187系で2両編成です。左側は車内の写真で、右側はその車窓です。岡山手前の山間部の写真です。


第四走者 普通:三原ゆき(岡山ー糸崎間乗車)
岡山駅から糸崎駅までは普通:三原ゆきに乗車しました。倉敷への観光客の方々で車内は満員でした。

発車直前にとなりに出雲市ゆきの特急やくも号が入線しました。新しい273系車両でした。まだ乗車したことがないので乗ってみたいです。

岡山駅から福山駅までは平野部を走行するので、快適な走行となります。


倉敷駅で観光客の方々が下車しましたが、それでも車内を満員でした。さらに福山駅からは再度多くの人が乗車してきました。新幹線から在来線で尾道駅までの観光客でしょうか・・満員でした。都市部以外の鉄道ですが、神戸からここまではどの列車も乗客が多く活況でした。いいことですね。
列車は尾道までやってきました。尾道は海の近くまで山地がせまっているので坂道が多い街です。山陽本線も海のすぐ近くを走行します。まずは東尾道から尾道までの車窓動画をごらんください。時折船がみえたりします。また「しまなみ海道」の一つである「尾道大橋」もみえます。
すぐ海の近くを走行しているのがよくわかりますね。


尾道駅を出発したあとも次の糸崎駅までは海沿いを走行します。こちらのほうは建物が少なく、列車からも海がよく見えます。その様子を動画でごらんください
列車は糸崎駅に到着しました。この列車は次の三原まで行きますが、次に乗車する列車がこの糸崎駅始発なので座席確保のためにこの駅で下車しました。

この糸崎駅は、1970年代前半までは糸崎機関区がおかれる重要な駅でしたが、電化が進展し電車の割合いが増加するとその地位が下がりましたが、現在も岡山地区の電車と広島地区の電車の境界線的な駅となっています。
岡山地区の227系(通称:Urara)の多くは糸崎から東で、広島地区の227系(通称:RedWing)は糸崎から西で運用されています。
第五走者 普通:大野浦ゆき(糸崎ー白市間乗車)
糸崎駅から白市駅までは普通:大野浦ゆきに乗車しました。大野浦駅は広島駅よりも西にあり岩国駅(山口県)の4つ手前の駅です。白市駅は糸崎駅から5つ目の駅で広島よりもはるかに東の駅です。なぜ白市駅で下車するかというと、これも白市駅始発の列車に乗り座席を確保したかったからです。

糸崎駅を出発すると次が新幹線との乗り換え駅である三原駅です。そこをでると山陽本線は内陸部へ入っていきます。写真は河内(こうち)駅近辺の車窓です。みえている山地の上あたりに広島空港があります。

列車は白市駅に到着しました。この駅から広島空港へ路線バスが運行されています。広島空港への最寄り駅という位置づけです。


第六走者 普通:岩国ゆき(白市ー岩国間乗車)
白市駅から岩国駅までは普通:岩国ゆきに乗車しました。この列車は始発から最後まで乗車します。この白市駅から「広島シティネットワーク」といわれる広島を中心とした列車体系となります。使用車両も227系(通称:RedWing)が中心となります。


白市駅を出発すると、東広島市の中心部である西条駅をへて広島市との山間部に入ります。
ここから山陽本線の最大の難所である瀬野ー八本松間(通称:セノハチ)に入ります。この区間は西(瀬野駅)から東(八本松駅)にむけて約22パーミル(1000mすすむごとに22m上る)の上り勾配となっています。
そのため、広島側からの貨物列車は、広島貨物ターミナル駅から最後部に補機(機関車)をつなげて登ります。
下の写真は八本松駅を出発するときの前面車窓です。八本松駅からは下り勾配となります。

次の動画は”セノハチ”を走行する列車から撮影した前面車窓です。動画後半に貨物列車とすれちがうシーンがあります。一瞬ですが、後部補機が映っています。
”セノハチ”は鉄道ファンなら多くの方が知っている鉄道撮影の名所です。様々な鉄道雑誌や山陽本線の名列車の写真に数多く登場してますね。列車からの写真を載せます。

列車は”セノハチ”を下り瀬野駅に到着します。

列車は広島駅に到着します。今回は広島駅で下車しなかったので写真が撮れませんでした。直前に広島カープの本拠地「マツダzoomzoomスタジアム」がみえました。


広島駅で多くの乗客を乗せて(宮島口駅で多くの方が下車しました)出発しました。2つの横川駅を出発すると太田川(放水路)を渡ります。

宮島口駅で宮島に向かう観光客が大勢下車して、車内も落ち着いてきました。写真は宮島口を出発した後のものです。海の向こうに宮島が見えています。

岩国駅に到着しました。ここで次の列車まで約20分あります。この駅は錦帯橋や岩国城などの観光名所で知られる街です。ここは広島県を越えて山口県に入ってます。


次の列車を待っていると、留置線に「はなあかり」号がいました。個人的には夏に敦賀駅でお会いしました。

第七走者 普通:下関ゆき(岩国ー下関間乗車)
岩国駅から下関駅までは普通:下関ゆきに乗車しました。この列車が今回の旅で一番長い乗車時間となります。ここから約3時間40分乗車します。列車は115系です。オリジナルの115系が2ドア化され車内もクロスシート化された車両です。


岩国駅を出発し南岩国駅から柳井港駅までが山陽本線の車窓のハイライトの一つといっていい絶景車窓が続きます。写真の連続になりますがごらんください。
まずは藤生(ふじゅう)駅ー通津(つづ)駅間の車窓です。

つづいて由宇(ゆう)駅ー神代(こうじろ)駅間の車窓です。写真の右側に写っているいる島は周防大島です。

大畠(おおばた)駅の直前に周防大島へ続く大島大橋がが見えます。

柳井駅から周南コンビナート(夜景で有名)で有名な徳山駅をへて、戸田(へた)駅ー冨海(とのみ)駅間の車窓です。瀬戸内の漁港です。

以上4枚続けて瀬戸内海の車窓を載せました。日本を代表する主要幹線にこのような美しい車窓があるのが素晴らしいですね。この美しい海沿いを日本をささえる人やモノが行き交っているのですね。
かつて多数運行されていた東京発のブルートレインが、このあたりを通過していたのが朝の6-8時ごろだったと思います。朝の美しい瀬戸内海の車窓を見ながら食堂車で朝食をとり、洗面をしたりしていたのかな・・と思うとうらやましくなります。
さて防府をすぎたあたりから山陽本線は海沿いから少し離れてやや内陸部を走行します。といっても山地に入るわけではなく、丘陵地帯の間をすり抜けて快調に走ります。


新山口駅に到着しました。この列車はここで約27分停車します。この駅はかつては小郡(おごおり)駅とよばれていました。
2003年10月1日のダイヤ改正で現在の駅名「新山口」となりました。
新幹線「のぞみ」号が停車駅に加わったことと、市町村合併で山口市と合併する話が進展(実際に合併したのは2005年)していたので、このタイミングでの駅名変更となりました。

駅構内を歩いていると、米子行きの「スーパーおき」号米子ゆきが停車していました。この駅は山口線の起点の駅であり、新幹線に接続して津和野方面や益田方面に行くことができます。


あと、宇部線も乗り入れています。写真は宇部ゆきの列車です。

新山口は地図上では山口県の真ん中あたりです。門司まで1時間20分ほどです。下関までの山陽本線は少し内陸を走行します。写真は厚東(ことう)駅ー宇部駅間の車窓です。小高い丘陵地帯の間を走行します。

列車は厚狭(あさ)・新下関をへて、下関の一つ手前の幡生(はたぶ)駅にきました。この駅は京都駅を起点として日本海側を走行する山陰本線の西の終着駅です。次の動画は西日本の2大幹線(山陽本線・山陰本線)が合流する場所を撮影した動画です。山陰本線の列車は次の下関まで運行されています。
列車は下関駅に到着しました。本州最西端の駅です。かつてはブルートレインの全列車がここで機関車を交換していました。また山陽新幹線が博多まで開通していなかった時はこの下関が終着の特急列車も多くありました。まさに一大拠点駅でした。

この下関駅では乗り換え時間がわずか3分しかなかったので、途中下車せずにすぐに小倉ゆき普通列車に乗車しました。
第八走者(最終走者) 普通:小倉ゆき(下関ー門司間乗車)
いよいよ山陽本線全線走破の旅も最終走者となりました。最終走者は普通:小倉ゆきです。車両は写真のとおり415系電車です。国鉄時代に交直流両用の近郊型電車として作られたものです。

列車は下関駅を出発し、右手に下関の車庫をみながら、やや左に曲がりながら関門トンネルに入ります。

関門トンネルは1942年5月に完成、7月に貨物列車が、11月に旅客列車が運行を開始しました。最初は現在の下り線(今回乗車)が開通し、上り線は1944年8月に完成し9月から運行を開始しました。
開業当初からトンネル区間が長いことと、急勾配だったこともあり電気機関車が使われていました。
次の動画は関門トンネルを下関方から入り門司側にでるシーンの動画です。
列車は山陽本線の終着駅:門司駅に到着しました!写真のとおり、神戸駅から535.025kmを全線走破しました。おおよそ11時間ちょうどで来ることができました。

ちなみにこのキロポストは門司駅の4番線と5番線の間にありました。そういえば、朝に神戸駅でみた0kmのキロポストを見たなあと感慨深いものを感じました。
写真は門司駅の駅舎です。リニューアルされてきれいな駅舎です。

(最後に)今回の感想
今回朝から約11時間かけて神戸駅→門司駅間を在来線のみで乗車しました。大変でしたが、乗り継ぎもよく、線路状態・電車の乗り心地もよく、思ったより疲れなかったです。
- 多くの区間で乗客が多く活況でした。とくに岡山ー倉敷ー福山ー尾道間は、新幹線乗換駅(主に岡山駅・福山駅)と観光地(主に倉敷・尾道)の乗客がとくに多かったです。広島(新幹線駅あり)ー宮島口(観光地:宮島)間も乗客が多かったです。
- 地域ごとに交通体系があることです。神戸ー姫路間(アーバンネットワーク)、岡山駅中心、広島駅中心(広島シティネットワーク)があり、これらのエリアでは列車運行本数が多く便利です。
- 各ネットワークの境界部分(姫路ー岡山間、糸崎ー白市間、岩国以西)については運行本数が1時間あたり1-2本となるので、この区間を乗車する時は事前に時刻を確認する必要があります。ちなみに関門トンネル区間(下関ー門司間)はおおむね1時間に4本程度列車があるので問題ありません。


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