今回は、JR紀勢本線のうち、末端区間にあたる和歌山市駅と和歌山駅を結ぶ短い区間についての投稿です。
現在は日常のローカル輸送路線ですが、かつては南海・国鉄の接続点として重要な役割を果たし、駅名や路線編入を通じて何度も変遷を重ねてきました。この区間の歴史や代表的な出来事を押さえていきましょう。
JR紀勢本線(和歌山市ー和歌山間)の概要・運行形態
- 路線距離:3.3km。 短い区間ながら日常の足として重要な役割を果たします。
- 所要時間:6〜7分程度。 列車は日中は1時間に1本、朝夕は1時間に2本です。最新の時刻は公式時刻表で確認してください。
- 乗換え利便性:和歌山駅はJR各線(阪和線・和歌山線等)と接続、和歌山市駅は南海線などへの乗換えが可能で市内移動に便利です。

JR紀勢本線(和歌山市ー和歌山間)の複雑な歴史
和歌山~和歌山市間3.3kmは実質的に支線扱いで、現在は普通列車が往復するだけです。しかし、かつてこの区間は和歌山のメインルートだったときがありました。

①初代和歌山駅は現在の紀和駅だった!
県庁所在地・和歌山市の玄関駅として最初に建設されたのは、この「支線」の中間駅である紀和駅(当時の名称は和歌山駅)でした。1898(明治31)年、紀和鉄道が現・JR和歌山線の一部にあたる船戸~和歌山(現・紀和)間が開通させたのです。
②南海が開通し、和歌山の玄関口が「和歌山市」になる
南海鉄道(現・南海電鉄)が1903(明治36)年に難波ー和歌山市駅を開業。これを受けて紀和鉄道も和歌山市駅まで延伸したため、和歌山の玄関駅はすぐに和歌山市駅と移りました。
③国鉄が紀勢西線の一部として開業
1924(大正13)年には、国鉄が和歌山(現・紀和)~東和歌山(現・和歌山)間を紀勢西線の一部として開通させます。これで、現在の和歌山市ー和歌山(現・紀和)ー和歌山東(現・和歌山)間がつながったのです。
わずか3.3kmの間で、東から国鉄・紀和鉄道・南海(現在も和歌山市から1kmの区間は南海の所有線路)の3社が建設者となる大変珍しい路線となりました。
④東和歌山駅(現・和歌山駅)の発展
東和歌山駅には、国鉄以外に紀和鉄道、山東軽便鉄道(現・和歌山電鐵)の列車も開業時から乗り入れており、1930(昭和5)年には阪和電気鉄道(現・JR阪和線)の列車も乗り入れを開始しました。
⑤現在の形に
1968(昭和43)年に和歌山駅⇒紀和駅に、東和歌山駅⇒和歌山駅にそれぞれ改称されました。1985(昭和60)年、南海からの直通急行が廃止され、和歌山~和歌山市間は支線のような位置付けとなり現在に至ります。2008(平成20)年には、わずか3.3kmの路線ながら高架化が行われています。


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