新垂井線(しんたるいせん)は、東海道本線の大垣駅〜関ケ原駅間に存在する下り専用の迂回線で、正式には東海道本線の一部ですが、一般には「新垂井線」という通称で呼ばれています。
東海道本線には、時刻表にもあまり目立たず掲載される「もう一つの線路」があります。
普通列車では乗れず、特急列車と貨物列車だけが走る”幻のルート”です。
★東海道本線(東京ー大阪間)の記事もあわせてごらんください。
新垂井線の概要・歴史
● 建設の背景
大垣〜関ケ原間は東海道本線の中でも勾配がきつく、特に旧・垂井駅付近の「垂井の急勾配」は蒸気機関車時代から難所として知られていました。
そのため、下り列車の負担を軽減するために建設されたのが新垂井線です。
● 開業
- 1944年(昭和19年)10月:戦時輸送力増強のため開業
- 下り列車専用として運用開始
- 旧・新垂井駅が設置される(1986年11月に廃駅)
下の写真が新垂井駅跡です。走行中の撮影のため少し見にくいですが、草木がうっそうと生えて駅らしき雰囲気はほとんで残っていません。

● 現在の役割
- 特急列車・貨物列車のみが走行するルート
- 普通列車は通常、旧線(垂井駅経由)を走行します
「普段は乗れない東海道本線」として、鉄道ファンの注目度は高い路線です。
新垂井線の特徴
① 下り専用の単線
上り列車は旧線(垂井駅経由)を走るため、新垂井線は下り専用。 単線でありながら、特急列車・貨物列車が走行する、鉄道写真の撮影地としても人気です。
下の写真は東海道本線と新垂井線の分岐地点です。この写真は別日に上り列車から撮影しました。

② 駅が存在しない
現在は途中駅がなく、大垣〜関ケ原を一気に駆け抜ける“高速通過区間”。
③ 勾配が緩やか
旧線は最大25‰の急勾配が続き、蒸気機関車時代には補助機関車が必要になることもありました。
そこで建設されたのが新垂井線です。
勾配を10‰程度まで緩和し、貨物列車や長編成列車でもスムーズに走行できるようになりました。
④ 普段は乗れないレア路線
新垂井線を走る普通列車はありません。つまり、この区間に乗るには下り(米原方面ゆき)特急列車に乗車するしかありません。「乗ろうと思っても簡単には乗れない」そんな希少性も、この路線の魅力です。
一般の乗客がこの区間を乗車するには特急列車に乗車する必要があります。現在(2026年4月現在)ではしらさぎ号が8本(名古屋発敦賀ゆき)・ひだ36号(高山発大阪ゆき)・サンライズエクスプレス出雲・瀬戸(東京発出雲市・高松ゆき)の計10本となっています。
今回は「ひだ36号」に乗車してこの区間の車窓を動画で撮影しました。ごらんください。
次の写真は、東海道本線上り線から撮影した新垂井線が東海道本線に合流する付近の写真です。場所は関ケ原駅の直前にあたります。上の動画で新垂井線から東海道本線に合流するシーンがありましたが、それを逆の場所からみた写真です。

まとめ:新垂井線は“知る人ぞ知る東海道本線の裏ルート”
新垂井線は、東海道本線の輸送力を支えるために誕生した”もう一つの東海道本線”です。普段は特急列車や貨物列車しか走らないため、その存在を知らない人も多いでしょう。しかし、歴史や役割を知ってから乗車すると、わずか数分の乗車時間が特別な鉄道旅へと変わります。
東海道本線を何度も利用している方ほど、一度は体験していただきたい区間です。
満載の路線です。撮影地としても人気なので、ぜひ現地でその迫力を体感してみてください。


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