はじめに
伊勢志摩を代表する観光特急、近鉄「しまかぜ」。
「しまかぜ」は大阪難波・京都・名古屋と賢島をそれぞれ1往復ずつ運行されています。
そのなかで、今回は、賢島駅から京都駅まで「しまかぜ」に乗車しました。
なぜ京都ゆきを選んだかというと、数ある近鉄特急はもちろん私鉄特急のなかで最長距離を走行するからです。その距離は195.2kmで2時間44分(平日ダイヤ)で結んでいます。
今回の座席は、1号車9A。賢島から京都へ向かう列車では最後尾となる、1人掛けのプレミアムシートです。
約2時間40分の乗車時間の中で、ゆったりとした座席で車窓を楽しみ、さらにカフェ車両では食事も楽しみました。
この記事では、実際の乗車体験をもとに、
- 1号車9Aの座席の様子
- 賢島から京都までの車窓
- しまかぜの車内設備
- カフェ車両と食事
- 実際に乗って感じた「しまかぜ」の魅力
- どんな人におすすめなのか
を紹介します。
▶今回のこの列車を含めた乗車記もあわせてごらんください⇒【近鉄乗車記】大阪難波から京都まで鉄道旅!アーバンライナー・伊勢志摩ライナー・快速みえ・しまかぜを乗り継ぐ

しまかぜは「移動するための特急」ではなく「乗ることそのものが楽しくなる列車」
最初に結論から言うと、今回しまかぜに乗って感じた最大の魅力は、目的地へ移動する時間そのものを楽しめることでした。
通常の特急列車なら、目的地まで快適に移動できれば十分です。
しかし、しまかぜにはゆったりとしたプレミアムシートに加え、カフェ車両なども用意されています。そのため、列車に乗った瞬間から旅行の楽しみが始まっているような感覚を味わえます。
特に今回のように、賢島から京都までまとまった時間を乗車する場合には、その魅力を存分に楽しむことができました。
賢島駅から「しまかぜ」に乗車
賢島駅で出発を待つ「しまかぜ」
今回の旅のスタートは、近鉄志摩線の終着駅・賢島駅です。

賢島駅は三重県志摩市阿児町にあります。駅から徒歩3分ほどで下の写真のように賢島港に着きます。

賢島駅に到着しました。下の写真は賢島駅に改札口です。

すでに京都行きの「しまかぜ」はホームに入線していました。写真のようにその他にも名古屋行き「しまかぜ」と大阪難波ゆき特急(2階建てビスタカー使用)入線していました。
独特の流線形をした車体は、一般的な近鉄特急とは違った存在感があります。

「しまかぜ」の側面ロゴと行先表示です。今から乗車します。

今回の座席は1号車9A
今回乗車するのは1号車の9Aです。
しまかぜのプレミアムシートは3列配置になっており、1人掛けの座席があるのも特徴です。

今回の9Aは1号車の最後列。賢島から京都へ向かう今回の乗車では、進行方向とは反対側の最後尾から車窓を楽しむことになります。

「最後尾の1人掛け」という今回ならではの視点から、しまかぜの旅を楽しみます。
1号車9Aのプレミアムシートに座りました
3列配置でゆったりした座席
しまかぜのプレミアムシートは、一般的な特急列車の座席とは違ったゆったり感があります。
実際に座ってみると、隣に人がいない1人掛け席ということもあり、非常に開放的であり、プライバシーが保たれています。長時間の乗車でも、窮屈さを感じにくい座席になっています。

リクライニングとレッグレストについて
座席にはリクライニング機能やレッグレストが備えられています。下の写真のようにボタン操作で電動でリクライニングができます。
リクライニングのほかに、腰の位置にあわせて座面が前に出たり後ろに下がったりする機能もあります。さらには「リズム」というボタンを押すと腰をマッサージしてくれます。

さらにレッグレストをあげることができます。リクライニング時に動く仕組みになっています。
日よけのブラインドは電動となっています。写真でいうと、左側の肘置きの少し先にボタンがみえると思います。それがブラインドのスイッチになっています。

約2時間40分の乗車では、この座席の快適性が大きなポイントになりました。
少しおまけ気味の内容となりますが、これらのプレミアムシートはシートを回転させることができます。下の写真の「シートロック解除」のボタンを押すと座席を回転できます。

最後尾の9Aから見る車窓
今回の9Aの特徴は、なんといっても最後尾であること。
先頭車の展望席とは違い、前方の景色を見ることはできません。その一方で、後方へ流れていく景色をゆっくり眺められるという、最後尾ならではの楽しみがあります。
「しまかぜ=展望席」というイメージがありますが、最後尾の1人掛け席にも違った魅力がありました。

賢島を出発!しまかぜの車窓を楽しむ
賢島を出て志摩線を走る
いよいよ賢島を出発します。伊勢志摩の旅を終え、列車は京都へ向けて走り始めます。
賢島周辺では、志摩の海や緑を感じられる景色が広がります。
鳥羽周辺で伊勢志摩らしい景色を楽しむ
列車は鳥羽方面へ向かいます。伊勢志摩旅行の帰り道ということもあり、車窓を眺めながら旅の余韻を楽しめます。ここでは、実際に撮影できた景色を中心に紹介します。
下の写真はカフェ車両(カフェ車両については後ほど紹介します)から撮影した風景です。鳥羽の真珠島がみえています。

伊勢市・宇治山田を経て京都へ
伊勢志摩を離れると、車窓の雰囲気も徐々に変わっていきます。伊勢市・宇治山田などを経由しながら、列車は京都を目指します。
次の動画は伊勢中川駅を通過する様子です。
この駅は大阪線と名古屋線が分岐する近鉄にとっては要衝となる駅です。名阪特急はこの駅を通らず、短絡線を経由して名古屋・大阪難波を目指します。
伊勢中川駅を通過すると、次のハイライトが新青山トンネルの通過です。その少し前の榊原温泉口駅付近で名古屋行きの「ひのとり」とすれちがいました。
近鉄を代表する2枚看板のすれちがいです!

海や山、田園風景、そして都市部へ。賢島から京都まで乗り通すことで、沿線の景色が少しずつ変化していく様子も楽しめます。
新青山トンネルに入る様子の動画です。「しまかぜ」時速130kmの高速で突入します。
次の写真は大和八木駅の後方車窓です。ここから「新ノ口連絡線」を通って、大阪線から橿原線に移ります。

以下の動画は、新ノ口連絡線を通過する様子(後方車窓)です。
橿原線に入ると、奈良盆地を南から北へ走行します。途中郡山城(2026年大河ドラマの主役豊臣秀長の居城でした)や薬師寺(橿原線西ノ京駅すぐ)の横を通ります。写真は西ノ京駅付近の後方車窓です。少しだけ薬師寺の塔がみえます。

大和西大寺につきました。ここで一定数のまとまった下車がありました。伊勢方面から奈良方面へ行く方々の利用も多いことがわかります。

大和西大寺からは京都線となります。京都線の都市郊外の風景のなかを「しまかぜ」は快走します。

丹波橋(▶京阪本線の情報)に停車して、その次はいよいよ終着:京都です。
今回乗車時にアテンダントさんより頂いた乗車証を撮影しました。バックにピンボケしていますが、新幹線の高架も写っています。新幹線とのつながりも近鉄京都駅の強みです。

17:34に京都駅に到着しました。賢島から京都まで乗り通すことで、沿線の景色が少しずつ変化していく様子も楽しみました。

しまかぜのカフェ車両へ行きました
今回の乗車でぜひ体験したかったのが、しまかぜのカフェ車両です。
しまかぜには、一般的な特急列車にはないカフェ車両が連結されています。
JRも含めて、日本では列車内で食事ができる車両が少なくなりました。一部観光列車でコース料理などをいただけることができるようになってきましたが、それでも少数派です。
せっかくなので、座席を離れてカフェ車両へ向かってみました。
2階建てのカフェ車両
カフェ車両は2階建てになっています。

カフェ車両内の通路です。カフェ車両は2階部分と1階部分の2層構造となっています。どちらでも軽食・喫茶ができます。

1階部分です。座席が6つあります。こじんまりした雰囲気です。

2階部分です。奥のほうに出入口があります。さすがの開放感と眺望でした。座席は11か12席(不確かですみません)でした。

座席とは違った雰囲気の車内で、車窓を眺めながら食事や飲み物を楽しめるのが魅力です。
しまかぜで「はまぐりのシーフードピラフ」いただきました
今回注文したのは「はまぐりのシーフードピラフ」です。

伊勢志摩を走る列車ということもあり、旅先らしいメニューを選びました。
量はちょうどいいくらいだと思います。写真のようにお水(310ml)がついています。シーフードが豊富に入っていておいしかったです。
お値段は1,850円です。
車窓を眺めながらだったためかすぐに出てきたように感じました。5分程度待ったかなと思います。
料理そのものだけでなく、走る列車の中で車窓を眺めながら食事をすること自体が、しまかぜならではの体験でした。とてもゆったりした気分になりました。
その他の食事メニューやドリンクメニュー等はこちらをご覧ください
しまかぜの車内を探検
今回利用した1号車を他の車内の雰囲気を紹介します。
サロン席・個室
今回は使用しませんでしたが、「しまかぜ」にはサロン席・個室もあります。家族やグループで利用できるサロン席や個室もあります。
1人旅とは違った楽しみ方ができる設備です。
サロン席です。6人がけ向かい合わせのシートとなっています。4名から予約できます。

和室個室です。履物をぬいで室内に入ります。3-4人で使用します。3人から予約できます。

液晶画面があります。車内のサービスなどがみれます。

洋風個室です。3-4人で使用します。3人から予約できます。

洋風個室は、座席以外に小さなテーブル・鏡・案内用に液晶画面があります。
車内設備・サービス
プレミアムシートの車内設備です。
- 電源は写真には写っていませんが、座席の下(窓側部分)にあります。
- テーブルは、下の写真のように座席の左側から折りたたみ式のものが、また前方の座席の背後に大きめのテーブルがあります。
- 荷物棚は頭上にあります。スーツケースは置くのは難しそうです。

デッキ内にスーツケースをなどの大型荷物を置くロッカーがあります。鍵方式となっています。

洗面設備です。手洗い場とパウダールームが分かれています。

賢島から京都まで乗って分かった「しまかぜ」5つの魅力
- 座席が快適
新幹線のグランクラスのシートに近いと思います。約2時間40分の乗車でも、ゆったり過ごせました。 - 車窓を楽しみながら移動できる
伊勢志摩から京都まで、変化する沿線風景を楽しめます。近鉄で最長距離を満喫できます。 - カフェ車両が楽しい
列車の中で食事を楽しめること自体が、しまかぜの大きな魅力です。 - 車内を探検する楽しさがある
座席に座っているだけではなく、カフェ車両などを訪れることで列車そのものを楽しめます。 - 「移動時間」が旅行の一部になる
これが今回もっとも強く感じたポイントです。目的地へ行くための時間ではなく、列車に乗っている時間そのものが旅になりました。

しまかぜはこんな人におすすめ
鉄道そのものを楽しみたい人
「列車に乗ること」が好きな人には、特におすすめです。
伊勢志摩旅行の帰りを贅沢にしたい人
旅行の最後に、しまかぜでゆったり京都・大阪方面へ戻るという使い方もできます。
私の見解ですが、帰りに交通手段に楽しい・豪華な列車を残しておくのは、モチベーションが上がるのでおススメです。
普通の特急とは違った列車に乗ってみたい人
カフェ車両など、一般的な特急とは違った設備を体験できます。
一人旅を楽しみたい人
今回の1号車9Aのような1人掛け席なら、周囲を気にせず自分の時間を楽しめます。
しまかぜは「高い」のか?実際に乗って感じたこと
しまかぜは、一般的な特急列車よりも料金が高くなります。しかし、今回実際に乗ってみると、単純に「移動するための料金」と考えるのは少し違うように感じました。
プレミアムシートで過ごし、車窓を眺め、カフェで食事をする。つまり、しまかぜの場合は、
「移動+観光+食事+列車体験」
をまとめて楽しむ列車と考えると、その価値が分かりやすくなります。

まとめ|しまかぜは「乗ること自体が旅になる」観光特急
今回、賢島から京都までしまかぜに乗車しました。
1号車9Aという最後尾の1人掛けプレミアムシートに座り、伊勢志摩から京都までの車窓を眺めました。
途中ではカフェ車両にも足を運び、列車の中で食事を楽しみました。
実際に乗って感じたのは、しまかぜは単なる「速く目的地へ行くための特急」ではないということです。
しまかぜは、列車に乗っている時間そのものを楽しむための観光特急。
伊勢志摩旅行を計画しているなら、帰り道にしまかぜを選ぶことで、旅行の最後まで特別な時間を楽しめるのではないでしょうか。
今回の賢島から京都までの乗車は、伊勢志摩旅行を締めくくるのにふさわしい、印象に残る鉄道旅となりました。



コメント