東京観光をするなら、まず山手線を一周してみてください。
山手線一周は、東京という巨大都市の歴史・発展・現在の姿を、わずか1時間で体感できる“都市観光列車”です。普段関東圏以外に住む方でも、乗るだけで「東京ってこういう街なんだ」と直感的に理解できます。
山手線は、単なる通勤路線ではなく、明治期の貨物輸送から始まり、関東大震災を経て環状線となり、現在は1日約100万人が利用する都心の大動脈へと成長してきた歴史があります。
さらに、1周34.5kmを約64分で結ぶ高頻度運行、そして区間ごとに表情が変わる車窓が魅力です。
山手線の歴史(要点)
山手線の始まりは1885年に開業した品川〜赤羽間の「品川線」です。当初は旅客輸送よりも貨物輸送が中心でした。その後、1909年に「山手線」という名称が誕生し、1925年には東京〜上野間の高架線が完成。現在の環状運転が始まりました。
最新の駅は2020年開業の高輪ゲートウェイ駅です。現在は30駅・34.5kmを結ぶ都心の大動脈として活躍しています。
運行ダイヤの特徴
- 朝ラッシュ時 約3 – 4分間隔
- 平日日中 5分間隔
- 平日夕ラッシュ時間帯 約4 – 5分間隔
- 土休日日中時間帯 約4分間隔
関東圏以外の方からすると「こんなに本数が多いの!?」と驚くレベル。
都市鉄道の“密度”を体感できるのも山手線の魅力です。
おすすめ車窓ポイント(乗車記として紹介)
今回は土曜日の品川駅7:39発の外回りで、大崎⇒渋谷⇒新宿⇒池袋⇒田端⇒上野⇒東京⇒品川⇒大崎ということで、1周と少しを乗車しました。
まずは品川を出発し、大崎駅に着きます。写真左側には山手貨物線があります。この貨物線を湘南新宿ライン・埼京線・臨海副都心線・品鶴線を経由して相鉄に乗り入れする列車など多彩な列車が並走します。
高層ビルと広い空が広がり、東京の新しい顔を感じられる区間です。

大崎から4つ目の駅が渋谷です。駅周辺は起伏が激しい地形です。(地上線かと思えば急に高架線になっていたりします)
渋谷駅周辺は毎回来るたびに景色が変わっています。巨大クレーンが立ち並び、「100年に一度」といわれる再開発の規模を実感しました。

渋谷の次の原宿付近の車窓です。写真に旧:皇室専用発着ホームが写っています。かつてはここに”お召列車”が発着していました。

次の動画が新宿駅に入線する山手線の前面車窓です。駅ビル群が連なり、ホームの数も圧巻。「都市の心臓部」を走っている感覚が味わえます。
新宿駅を出発するとすぐに左側へ中央線(快速線・緩行線)が分かれ、しばらく西武新宿線と並走します。埼京線・湘南新宿ラインは山手貨物線を走行しているので、この区間は複々線のようになります。新宿から4つ目の駅が池袋となります。写真は池袋駅に進入する直前の車窓です。

池袋を出発すると左側へJR埼京線と東武東上線が分かれていきます。山手線は山手貨物線と並走し、向きを東側へかえます。

池袋から大塚間は高層ビルから一気に生活圏へ。東京の“日常”が垣間見える車窓となります。
大塚では東京都心で唯一となった路面電車・都電荒川線と接続しています。
次の写真が駒込駅を出発したところの前面車窓です。
この写真について以下の2点に着目してください。
①山手貨物線(主に湘南新宿ラインの列車が走行)が山手線の下くぐって、中里トンネルを潜り左側にカーブして離れます。
②山手線唯一の踏切があります。この2点に注目してご覧ください。

田端に到着する直前に左側から山手線を挟む形となります。この田端から品川までは京浜東北線と完全に路線が重なります。日暮里駅では京成電車と乗り換えできます。⇒京成スカイライナーの記事はこちら

上野駅到着直前の車窓です。上野駅すぐ西側には上野公園が広がっています。上野公園の緑が車窓に入り、都会の中の癒しポイントです。博物館・美術館が集まる文化エリアです。

上野を出発すると、御徒町⇒秋葉原⇒神田⇒東京となります。写真は東京駅直前の前面車窓です。
このあたりは、京浜東北線・神田から中央線快速が並走します。
東京駅は言わずと知れた日本の鉄道の起点をなる駅です。
東海道線・東海道新幹線・東北上越新幹線(分岐して北海道・秋田・山形・北陸新幹線も)上野東京ライン(⇒東北本線黒磯までの記事はこちら)中央線快速・京葉線・総武横須賀快速線・東京メトロ丸の内線に乗りかえることができます。

東京駅を出発すると、写真左側から東海道山陽新幹線・上野東京ラインとなります。
下の写真は浜松町駅にあった「小便小僧」です。1952年に寄贈されたものです。末永くご活躍ください。

浜松町を出発するとほどなく品川に着きます。写真は品川駅に到着する直前の様子です。高層ビルと広い空が広がり、東京の新しい顔を感じられる区間です。

山手線の車内です。土曜日の8:40ごろに撮影しました。平日であれば通勤・通学時間ラッシュにピークの時間帯ですが、すわれる場所があるくらいゆったりしていました。
東京にくると山手線に乗車する機会が多いのですが、このようなゆったりした山手線はあまり経験がありません。

品川を出発し、大崎駅に到着しました。ここから埼京線に乗りかえます。⇒埼京線の情報はこちら

🚃 **山手線の車両の歴史(103系〜E235系)
1.103系(1963〜1988)
“ザ・山手線”を象徴するウグイス色の国電。山手線のイメージを決定づけたのが103系。
山手線=緑の電車というイメージは、この103系が作りました。
- 1963年(昭和38年)デビュー
- 山手線で初めてウグイス色(黄緑6号)を採用
- 高度経済成長期の通勤ラッシュを支えました
- 非冷房車が多く、扇風機が回る“昭和の国電”らしい車内でした。のちに冷房車改造されました。
- 約25年間にわたり山手線の主力として活躍
2.205系(1985〜2005)
ステンレス車体で“都会的な山手線”へ、国鉄末期に登場したのが205系。「昭和の国電」から「平成の都市型通勤電車」へ、山手線の印象を大きく変えた車両でした。
- 1985年(昭和60年)デビュー
- 山手線初のステンレス車体で、銀色+ウグイス帯の都会的デザイン
- 省エネ性能が向上し、界磁添加励磁制御を採用(国鉄の新標準)
- 10両→11両編成へ増強し輸送力アップ
- 2005年まで運用され、JR化後の山手線の顔に
3.E231系500番台(2002〜2020)
液晶ディスプレイ導入で“情報サービスの時代”へ
JR東日本が山手線向けに初めて投入したのがE231系500番台。「案内が見やすい山手線」という現代のスタイルは、このE231系が始めました。
- 2002年デビュー
- ドア上に液晶ディスプレイを本格導入(JRで初)
- 6ドア車を増備し、混雑緩和を図る
- 車体幅が広くなり、車内空間が改善
- 2020年1月20日に山手線での運用終了。引退後は中央・総武緩行線へ転属し黄色帯で活躍中
4.E235系(2015〜現在)
最新鋭の“スマート通勤車両”へ進化。現在の山手線を走るのがE235系。
デザインは「電子レンジみたい」と話題になりましたが、“情報・安全・省エネ”を極めた次世代通勤車両として評価されています。
- 2015年11月30日営業運転開始
- 車内に防犯カメラを設置(2018年から)
- 大型デジタルサイネージで案内を強化
- ATO(自動列車運転装置)による自動運転実験を実施
- 山手線の全編成がE235系に統一済み(2020年)

まとめ
山手線は、東京で最も身近な通勤路線でありながら、同時に東京という都市を最も効率よく知ることができる観光路線でもあります。
高層ビルが立ち並ぶ都心、昔ながらの下町、緑豊かな公園、新幹線や私鉄との交差…。
わずか1時間の乗車で、「東京とはどんな街なのか」を肌で感じられるでしょう。


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